相続した株を売却した場合の税金

遺産財産の中には、株式が含まれていることがあります。
株式は法律的には株式会社に対する出資者の立場としての権利があります。
(義務は、有限責任として出資金額を限度に債務者の支払原資とされます)
つまり、株主は、その株式を発行する会社
に対して、発言権(議決権)や配当の分配請求権(剰余金の配当請求権)などの権利を持つこととなります。

この権利は上場会社の株式であれ、非上場会社の株式であれ違いはありません。

このような株式を相続された場合には、当然相続財産として相続税の課税対象とされ、その時価に応じた相続税負担の可能性あります。
高額の株式を保有していた場合には、他の相続財産の価格と相まって高額の相続税となることが考えられます。

相続税の取得加算費の特例

高い相続税を支払った上に、その相続税を納税するために相続した株式を売却したらさらに、所得税がかかるというのはあまりに税負担が過重だというわけで、相続した株式を売却した場合には「相続税の取得加算費の特例」という制度があります。

これは、相続(遺贈も含みます)によって財産を取得した個人に相続税負担があった場合、相続の開始があった日の翌日から3年10ヶ月経過する日までの間に相続財産を譲渡した場合には、譲渡所得の金額の計算上控除する取得費に譲渡した財産に対応する相続税額を加算することができるという制度です。

【特例の概要】
(1) 特例の概要
 この特例は、相続により取得した土地、建物、株式などを、一定期間内に譲渡した場合に、相続税額のうち一定金額を譲渡資産の取得費に加算することができるというものです。

(注) この特例は譲渡所得のみに適用がある特例ですので、株式等の事業所得、雑所得に係る株式等の譲渡については、適用できません。

(2) 特例を受けるための要件

イ 相続や遺贈により財産を取得した者であること。

ロ その財産を取得した人に相続税が課税されていること。

ハ その財産を、相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡していること。

(3) 取得費に加算する相続税額
 取得費に加算する相続税額は、次のイ又はロの算式で計算した金額となります。ただし、その金額がこの特例を適用しないで計算した譲渡益(土地、建物、株式などを売った金額から取得費、譲渡費用を差し引いて計算します。)の金額を超える場合は、その譲渡益相当額となります。

 平成27年1月1日以後に開始する相続又は遺贈により取得した財産を譲渡した場合の算式は、次のとおりとなります。

<算式>

土地等以外の財産(建物や株式など)を譲渡した場合の取得費に加算する相続税額の計算式2


2 この特例を受けるための手続

 この特例を受けるためには確定申告をすることが必要です。
 確定申告書には、
1相続税の申告書の写し(第1表、第11表、第11の2表、第14表、第15表)、
2相続財産の取得費に加算される相続税の計算明細書、
3譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書【土地・建物用】)や株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書などの添付が必要です。
 2の計算明細書を利用すると、取得費に加算される相続税額を計算することができます。

(所法33、38、措法39、措令25の16、措規18の18)


なお、非上場の会社の株式の場合には、会社の方から、買取を求められることも考えられます。一定の場合には買取の請求に応じる義務が生じることもあります(会社法第174条)。
発行会社に買い取ってもらう場合には、見なし配当課税が行われないように手続きしておく必要がありますので、注意が必要です。


株式の相続に関する様々な問題の可能性

 以上のとおり、株式の相続に関しては、非上場の会社の株式の場合には価格の算定方法が問題となったり、その後に「相続税の取得加算費の特例」制度を利用する場合には、計算が複雑となるなど様々な税務上の問題が生じる可能性があります。

遺産に株式が含まれている場合には、相続発生後、一度税理士へ相談されることをおすすめします。


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